鉄瓶 修理 手入れ

☆本日は鉄瓶の使い方です☆

鉄瓶は毎日使ってあげることが一番のお手入になります。とはいうものの、ちょっとした気を付ける点はあります。まず鉄瓶の内部は金気止めという処理をしてありますが、これは炭を燃やして高温で焼く仕上げ工程です。 この作業によって鉄瓶の内部には酸化皮膜という皮膜が出来、これがさび止めの役割をしています。この皮膜を破損させないでなるべく長持ちさせつつ、その間に早くお湯に慣らすことです。皮膜がはがれないうちに湯あをつけてしまうと鉄瓶の内部はだんだんと白っぽくなり、 もっと使い込むと完全に白くなり、そこまでいくと水を仮に入れっぱなしにしても錆びなくなります。ここまで行くには半年、1年かかりますが 一晩水をいれたままにしてもまったく錆びなくなります。 確かに時間と使用頻度、それまでの丁寧な扱いが肝心となりはしますが、 正しく使えば途中軽く錆びても必ずここまで到達します。がんばりましょう。

◇鉄瓶の慣らし期間: 使い始めの、特に最初の1ヶ月の注意です。

  1. 最初に鉄瓶の中を軽くゆすぎます。
  2. お湯を六分目くらいまでいれて一度沸騰させます。
  3. 2~3回沸かして捨てます。濁りが無くなれば回数は問いません。 内部は決して触らない。この鉄瓶の中というものは永遠に触ることはありません。恐らく鉄瓶に限ったことではありません。中国茶の急須も同じくです。(中国には“余計なことをする人”の意味で、急須の中を洗う者。と言うことわざがあります。)
  4. 使用後は中を空にして必ずフタをとります。鉄瓶の余熱で中を乾燥させます。 熱が足りない場合は炭火にあてて乾かします。 鉄瓶は最後の製作工程で炭をつかって焼き付けしているので炭火は空だきの心配がありません。
  5. 外側をふく場合は乾いた布で。または鉄瓶が熱い間に緑茶を浸した布で表面を軽く叩くように拭くと表面処理がなされます。錆が出ている場合は止まります。 鉄瓶の中の、注ぎ口の付け根部分にお湯が残りやすいので気を付けて。

鉄瓶を使っている間の注意点

  1. 鉄瓶は毎日使ってきちんと後処理していても、まもなく中に赤い斑点のような錆びが出てきます。これはどんな鉄瓶でも一緒です。 それでも絶対に中は触らないように。かならず使い続ければ湯あかがつきます。
  2. 白っぽくなればそれが湯あかです。使い始めよりもお湯が美味しくなっているはずです。 鉄瓶は使えば使うほどお湯がおいしくなります。大事に鉄瓶を育ててください。
  3. ただ鉄瓶の中が白っぽくなるには最初の1~2週間は毎日使いたいところです。取り敢えず1ヶ月は頻繁に使わないと白っぽくはなりません。あわてずに根気よく使い続けましょう。
  4. ガスコンロで鉄瓶を使う場合 強火で使用すると外側の漆が焼けて変色します。また鉄瓶の外側、日の当たる部分がいずれぼろぼろと錆びてきてしまいます。 鉄瓶をガスコンロで使うときは火は必ず弱火で。 もともと鉄瓶は直火に弱いです。火に直接あぶられていると段々と表面が痛んできます。
  5. もしどうしても鉄瓶をガスコンロで使用する場合、一度鉄瓶のお湯を沸騰させたら、簡易式のIHヒーター?のようなもので温度維持するのも鉄瓶の保護には効果的です。
  6. あるいは鉄瓶の中のお湯をポットに移して使います。鉄瓶はもうこの時点で乾かしてしまいます。 ただしお湯は鉄瓶の中での滞在時間が長いほどまろやかになります。鉄分の流出も同じです。 それら鉄瓶の効果は望めなくなりますが。
  7. IHヒーターで鉄瓶を使う場合 鉄瓶の底が恐らく直径13cm程度ないと電源が入らないかも知れません。IH対応の鉄瓶は岩鋳などでも販売されていますが、当店では一切販売していません。ただもし鉄瓶を IHヒーターで使う場合は必ず弱火で使用してください。 その他詳しくはお手持ちのIHヒーターの説明書をご確認いただくか、メーカーに直接お問い合わせ下さい。
  8. そもそも鉄瓶の錆はどういうタイミングで発生するのか?
    それは 鉄瓶の中の一度沸騰したお湯が水になっていく、この水温が下がっていく過程が一番鉄瓶の中を錆びさせます。 使い終わった後かならず乾燥させます。 鉄瓶の中に水分が残っているとまず最初は一回で錆が発生します。乾燥させたつもりでも、フタの淵、あるいは鉄瓶の中の蛇口の付け根などにお湯がたまっている場合などが要注意。
  9. それでも鉄瓶を万が一錆びさせてしまった場合は赤さびでお湯が赤くなるかも知れません。その時は以下の処理を施してみます。

鉄瓶が錆びたときの処理方法★

その1

  1. 緑茶の葉を不織布に入れたものを鉄瓶の中にいれる。
  2. 水を鉄瓶の八分目までいれて煮出す。
  3. お湯が2分目をきるくらいになったら一度中のお湯をすてて水を八分目までいれる。
  4. このお湯が沸騰して、また二分目になるまで沸騰させ続ける。
  5. この1~4の処理を3回繰り返す。
  6. 緑茶は出がらしでOK。 これで緑茶のタンニンが錆と反応してタンニン鉄が生まれているはずです。 大概はこれで赤さびは止まり、お湯が赤いのも止まります。

その2

  1. お米のとぎ汁を鉄瓶の6~7分目までいれて鉄瓶のフタを取り、弱火で何度か沸かします。 鉄瓶の内側にでんぷんの膜が出来て錆がお湯に出にくくなります。
  2. とぎ汁が赤く濁らなくなったらお使いいただけます。
  3. 鉄瓶を直火で空だきしてしまった時も同様の手法で対処いただけます。
  4. 結局どれをやっても鉄瓶から赤水が出てしまって、完璧に鉄瓶を錆びさせてしまった場合は修理が必要です。
  5. だいたい1ヶ月以上かかって費用も2万円程度かかります。
  6. 感覚的には5万円前後の鉄瓶か、よほど思い入れのある鉄瓶でしたら修理する価値があると思います。
  7. そのあたりは適宜ご判断ください。お金では換算出来ない価値のある鉄瓶なら、数万円で使える状態になると思います。修繕をしてくださるのはあの鈴木盛久工房の職人さんです。
  8. 余談ですが 万が一錆びた鉄瓶の赤水を飲んでも人間に害はありません。お腹をくだすことがあるくらいだそうです。 鉄瓶の錆は体に悪いことは一切無いとは鉄器職人さんに共通した意見です。錆の粉が湯飲みに入っていても、飲んでも平気だそうで、最近の人は湯飲みに入った鉄の粒をみるとお湯をすててしまう。と逆に嘆いていたくらいです。 (私もこれを聞いて初めて悟りました)。
  9. 鉄瓶は使っている途中、鉄瓶中に結構な赤い斑点の錆が出てくることでしょう。でもあわてず、驚かずに、地道に上記の使い方を守ってなが~~く使ってあげてください。必ずや素敵な鉄瓶へと育っていきます。
  10. 鉄瓶の中が完全に白くなればしめたもの。一晩水を入れっぱなしにしても錆びません。そのくらい鉄瓶は道具として優れているのです。
  11. ちなみに鉄瓶の中が白くなるのは鉄瓶を所有している期間でもなく、また使用回数でもありません。 トータルでいかに長時間お湯を沸騰させていたかによります。 それゆえ、ガスなどで鉄瓶のお湯を沸騰させ、すぐにお湯を抜いてしまうような使い方では10年たっても鉄瓶の内部が白くならないかも知れません。その意味で鉄瓶は本来、炭火の上でずーっと長い間シュンシュン言わせている物なのです。

20131124_174231処置前  

20131126_160523処置後 緑茶を使用した処置