弘前とお茶、そして水

『邪を摘む』茶畑

現在弘前公園として多くの市民に愛されている弘前城。長久繁栄の願いをこめ、風水をかたどって造成されました。風水では、東北の方角が鬼門とされるため、本丸の東北端だけは角がなく、石垣をわざと崩して角をとった「鬼門くずし」となっており、またその先には、鎮護の社(やしろ)として、弘前八幡宮が位置します。

弘前城の東には、茶畑町という地名があります。ここでは実際に茶が栽培されていました。「茶」を転じて「邪」ともいいます。これは「邪を摘む」という意味もあったそうです。

弘前の「弘(ひろ)」は、どこまでも無限に広がっていくという意味で、「前(さき)」は邪を切るという意味があります。つまり、「悪いところは切り落として無限に街が広がってゆく」という、大変縁起のいい名前なのです。

弘前城天守閣と「鬼門くずし」

水の豊かな地域で

玉雲堂本社がある弘前市田町は言うに及ばず、昔は田んぼが多く、すなわち水が豊かな地域でありました。お茶には美味しい水が必要不可欠ですから、縁起を担いで、平成10年にこの地に本店を移しました。

弘前八幡宮

弘前八幡宮と熊野奥照神社に挟まれ、隣には大浦為信(津軽為信)によって討たれた小山内讃岐守の墓石があるという、弘前市の歴史・文化を感じられる立地にあるともいえます。熊野奥照神社には稲が祀られていることからも、この地は弘前藩にとって重要な地域であったことがうかがえます。