玉雲堂のかぶせ茶

玉雲堂物語 ~秋~

・玉雲堂物語 ~秋~

 こんにちは!

 

 久しぶりの玉雲堂物語でございます。

 玉雲堂の織りなす物語をまったりとお楽しみください。

 物語はフィクションです。

 

 ・紅葉が色づくころに

 むかしむかし

 あるところに、太郎という力自慢の男がおりました。

 村一番、町でも屈指の力持ちということをよく自慢しておりました。

 力自慢はするが、力仕事をするでもなく毎日を過ごしていました。

 

 ある日

 太郎の住む村に、三郎という名の力士が引っ越してきました

 三郎は、力持ちだがそれを自慢することはあまりなく、力仕事を率先して行う姿勢が村人から好かれました

 太郎は口を開けば力自慢の話ばかりで、力仕事など一切していなかったので村人からは宝の持ちくされと言われていました

 

 ある春のこと

 太郎と三郎のどちらが力持ちなのか?という話題が村人の中で広まりました

 それを耳にした太郎は、三郎に勝負を挑みました

 「やい、三郎!お前と俺どちらが村一番の力持ちが決めようじゃないか」

 と太郎は顔を真っ赤にして三郎に言いました

 三郎は

 「わかった。紅葉が色づくころに勝負しようではないか」

 

 季節は秋になり、紅葉が色づき始めたころ

 太郎と三郎は腕相撲で勝負をしました

 結果、太郎は負けました

 

 すると太郎は

 「あの時すぐに勝負したら負けてなかったはずだ!秋になるまで期間を置いて卑怯だぞ!」

 三郎は

 「その期間、お前と俺には時間がありいくらでも鍛錬できたはずだ」

 

 太郎はその一件以来、力仕事に励みました。

 三郎に言われた言葉を思い出し、顔が赤くなった太郎。

 それは怒りからではない、今までの自分の振る舞いを振り返ってのことだ。

 

 時は流れ

 二人の力持ちが一生懸命働いた村は、今まで以上に栄え、いつしか太郎と三郎は親友になっていました。

 

 笑顔で酒を酌み交わす二人

 太郎は三郎に言いました

 「紅葉が色づくころに勝負しないか?」

 「喜んで」

 

 ・・・

 二人の力持ちがますます働いた村はさらに発展していきましたとさ。

 

 

 いかがでしたでしょうか?

 楽しいと思っていただけたら幸いです。

 

 最後までお読みいただきありがとうございました!!!

 失礼します!